問題番号008  解答編




上図のような1辺の長さがaの正五角形ABCDEを考える。
ただし、点Oは正五角形ABCDEの外心及び内心とする。


(1) △ABDにおいて
∠DABの二等分線とBDとの交点Fとおく。
∠AOB=72° より ∠ADB=36°。 AD=BD より ∠DAB=∠DBA=72°。
∠DAF=∠FAB=(1/2)∠DAB=36°。
∠AFB=180°-(∠FAB+∠DBA)=72°。
よって△ADFは DF=AF の二等辺三角形、△AFBは AF=AB の二等辺三角形となる。
したがって AB=AF=DF=a。

また、△ABD∽△BFAでもある。
BF=x とおくと、AB:BD=BF:FA 、a:(a+x)=x:a 。
よって x2 +ax =a2 、x2 +ax -a2 =0 。
x>0より x={√(5)-1}a/2 。
したがって BD= a +{√(5)-1}a/2 ={√(5)+1}a/2 。

ABの中点をMとすると、△MBDにおいて
∠DMB=90° 、∠MDB=(1/2)∠ADB=18° 、∠MBD=72° 、
MB=a/2 、BD={√(5)+1}a/2 なので、
sin18°=MB/BD =[a/2]/[{√(5)+1}a/2] =1/{√(5)+1} ={√(5)-1}/4 。
cos36°=1-2sin218° =1 -{6-2√(5)}/8 =1 -{3-√(5)}/4 ={√(5)+1}/4 。
よって cos36°={√(5)+1}/4


(2) 外接円の半径を r1 、内接円の半径を r2 とする。
△OABの面積について考えると、
△OAB=(1/2)sin72° OA OB =(1/2)sin72° r12
また △OAB=(1/2) AB OM =(1/2)ar2
よって (1/2)sin72° r12 =(1/2)ar2 、sin72° r12 =ar2 、r2 =sin72° r12 /a 。

さらに、正弦定理より a/(sin36°) =2r1 、a=2r1sin36° 。
したがって、r2 =(sin72°/ 2r1sin36°)r12 =(sin72°/ 2sin36°)r1 となる。
内接円の面積は πr22 =(sin272°/ 4sin236°)πr12 、外接円の面積は πr12 な ので、
内接円の面積は外接円の面積の (sin272°/ 4sin236°)倍である。

また(1)より、 sin18°={√(5)-1}/4 、cos36°={√(5)+1}/4 なので、
sin272° =cos218° =1-sin218° =1-{3-√(5)}/8 ={5+√(5)}/8 。
sin236° =1-cos236° =1-{3+√(5)}/8 ={5-√(5)}/8 。
したがって (sin272°/ 4sin236°) =(1/4)[{5+√(5)}/8]/[{5-√(5)}/8] =(1/4){30+10√(5)}/20 ={3+√(5)}/8 。
よって内接円の面積は外接円の面積の{3 +√(5)}/8 倍である。


答 え:(1)cos36°={√(5)+1}/4  ,(2){3+√(5)}/8 倍

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